子どもと女性の人権を守るデスク
2002年、米国で聖職者による子どもへの性的虐待が次々と明るみになり、その後、他の国々においても同様の被害が多く報告されました。教皇庁はこの事態を重く受け止め、教会全体の問題として、今日まで様々な調査と再発防止に向けた対策にあたってきました。
現教皇フランシスコは、虐待を犯した聖職者に対して厳正に対処する姿勢を示しており、同時に、被害者のために祈り、寄り添うことが教会の責務であると強調し、2016年には全世界の司教団に向けて、「性虐待被害者のための祈りと償いの日」(日本では四旬節第二金曜日)を設けるよう通達しました。
日本の教会においては、2002年の定例司教総会において『子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ』が発表され、日本の司教団としてこの問題に真摯に取り組む決意を表明しました。同年、「子どもへの性的虐待問題に取り組むプロジェクトチーム」が発足。司教団の諮問を受け、セクシャル・ハラスメントの問題も日本の教会における重要な課題であり、取り組む必要があるとの提言がなされました。これを受け、2003年には社会福音化推進部内に「子どもと女性の権利擁護のためのデスク」が設置され(現在は社会司教委員会内に設置)、同デスクにより冊子の発行・研修会などの啓発活動が行われています。
また、2016年7月、全司教の合意に基づき、各教区に対応委員会および相談窓口を設置することが要請されました。
横浜教区でも弁護士を含めた信徒・修道女・司祭により構成された対応委員会が設置され、個別の問題に対応するための準備が慎重に進められ、2018年4月、教区内に電話相談に対応する「子どもと女性の人権を守るデスク」が開設されました。
【電話相談窓口】
相談内容
横浜教区で活動する聖職者、修道者によるセクシャル・ハラスメント(対象者=子ども、女性)。
原則として、他教区からの相談は扱いません。
※秘密は守ります。
PDF 女性と子どもの人権デスク電話相談ポスター
【性虐待被害者のための祈りと償いの日】
教皇フランシスコは、全世界の司教団に向けて、「性虐待被害者のための祈りと償いの日」を設けるよう通達しました。日本の司教団はこの呼びかけに応え、この日を「四旬節第二金曜日」と定めています。
横浜教区では、教区内から寄せられた祈りを集めた「祈願集」を配布し、小教区や修道院等で祈りを捧げるよう勧めています。また、この時期にあわせて「特別電話相談週間」を設け、通常の受付時間外、および日本語以外の言語での相談に対応できるようにしています。
性的虐待被害者のための祈りと償いの日 祈願集.pdf
【関連文書】
・横浜教区司祭評議会
2020.12.1 横浜教区聖職者性虐待防止宣言文
※以下の文書については、カトリック中央協議会「子どもと女性の権利擁護のためのデスク」のホームページをご覧ください。
・日本カトリック司教団メッセージ
2002 子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ
2016 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」の設定にあたって
2016 「性虐待被害者のための祈りと償いの日」(英文版)
A Message from the Catholic Bishops’ Conference of Japan
“On the Occasion of Instituting a Day of Prayer and Penance for the Victims of Sexual Abuses”
2019 「聖職者による未成年者への性虐待の対応に関するアンケート」 調査報告と課題
・小冊子
2006 『セクシュアル・ハラスメントに気づくことから あらゆる暴力にNO!という教会を目指して』
2009 『教会が子どもの権利を守るために 性的暴力への対応の手引き』
・マニュアル
2013 『聖職者による子どもへの性虐待に対応するためのマニュアル』(2018年一部改訂)