教区報に掲載されている典礼コーナーから転載しています。
聖体授与の臨時の奉仕者(二)
教区報73号より
病者、高齢者等への奉仕
共同体の中で弱い立場にある人々、特に病気や高齢のためにミサに参加できない人を訪問し、聖体を運ぶことは牧者である司祭の大切な務めの一つです。しかし、病人や高齢者が多く、司祭や助祭だけでは度々訪問することが困難な場合、信徒の中で司教の任命を受けた「聖体授与の臨時の奉仕者」が聖体を運ぶことができます。別な観点から言えば、共同体の中の病者や高齢者に心配りすることは、司祭だけの務めではなく、共同体の責任でもあると言えます。
私たちは、主の死と復活を記念し祝うために主日に集い、共同体としてミサをささげ、聖体をいただき派遣されていきます。ミサに参加できない人々に聖体を運ぶことによって私たちは主キリストの愛と慈しみを表わすことができます。また、聖体拝領はいつもミサに繋がっています。ですから、これらの人々が主日に聖体を受けることができれば共同体と共にミサに参加したこととなり、キリストとともに自分を御父にささげ、教会共同体にも結ばれ、きょうだい愛に支えられている喜びと力を感じることができるでしょう。健康な信者が主日ごとに聖体を受けるなら、病者はなおさらこの恵みが必要です。また、ミサとの繋がりを表わすためにも、聖体を授与するだけでなく、状況がゆるす限り、その日の福音を朗読し、説教の要旨を伝えることが望まれます。平日の場合も心は同じです。できれば、福音の一節を朗読し、ミサとのつながりを示すことが大切です。
近親者が病気や高齢などでミサに参加できない場合、主任司祭の許可を得て指導を受けた上で、家族が臨時的にその「奉仕」を務めることができます。
実際の奉仕を考えると、まず当人が聖体拝領を望んでいることを確認し、司祭から聖体を「聖体容器」に入れていただき、買物や仲間たちとの談笑にふけることなく速やかに訪問し、家族や病院施設の同意を得た上で授与します。場合によって授与できない時は教会に持ち帰るか、奉仕者が拝領します。前もって主任司祭に確認しておくとよいでしょう。また、必要に応じて拝領の前後に水を飲むことができます。なお、後日聖体を拝領できるように残すことは許されていません。聖体を受ける側を考えると、聖体としての主を迎えるのですから、環境を整えたいものです。TV等の音曲を止め、できれば、聖体容器を置くために白い布をかけたテーブルを用意し、その上に十字架とローソクを置き、喜びを表わすために生花を置くこともよいでしょう。
病院や施設の場合、個室か大部屋か等で状況は千差万別です。また、病気によっては飲食物に制限があります。関係者に確認してください。
横浜教区版「病者の聖体拝領の式次第」は本年2月に改訂され、聖体授与の注意点等も記載され、より使いやすいものとなりました。一読されることをお薦めします。
(教区典礼委員会)