祈りをささげる

教区報に掲載されている典礼コーナーから転載しています。

子どもの初聖体(一)




 教会法の規定では「理性を働かせるに至った子ども」(教会法第九一四条)、すなわち満七歳以上の子ども(第九七条二項)が初聖体の対象とされています。子どもは宗教体験ができるような年齢に達しており、イエスについて質問したり、良心に基づく判断もできるようになっています。ですから適切な準備が必要です。今回の典礼コーナーでは、その準備を行なうときに留意したいことを述べてみたいと思います。 
 準備は皆で一緒に協力しながら
 初聖体の準備について、教会法では「子どもに至聖なる聖体を授けることができるためには,その理解力に応じてキリストの神秘を把握し,信仰及び敬虔な心をもって主のからだを受けることができる十分な認識及び入念な準備が要求される」(教会法第九一三条一項)と述べられています。子どもたちは大人と一緒に聖体をいただけることを心待ちにしています。ですから皆よろこんで初聖体の準備を始めます。「十分な認識及び入念な準備が要求される」という理由からだけでなく、子どもたちの純粋な期待に応えるために、また初聖体を受けた後も家庭と教会での生活がしっかりとつながっているためにも、主任司祭のもと、両親、洗礼の代父母、教会学校のリーダーたちが皆こぞって準備することが大切です。
 入信の秘跡を意識しながら
 最近まで初聖体は子どもの信仰生活において個別的、単独のイベントのように考えられていました。入信の秘跡との関係はあまり強調されませんでした。教会法では「洗礼、堅信及び至聖なる聖体の秘跡は、互いに深く結びついており、完全なキリスト教入信に必要とされる」(第八四二条二項)と指摘されています。聖体を受けることは、子どもが受けた洗礼の秘跡の延長であり、キリストの十字架と復活の実りである聖霊を堅信の秘跡によって受けることを待ち望むときでもあります。ですから初聖体の準備は、洗礼を受けているよろこび、恵み、誇りを味わわせるところから始まります。「洗礼を受けているあなたは神さまの子どもであり、イエスさまの友なのです。神さまはあなたが洗礼を受けるとき『あなたはわたしの愛する子』と言ってくださいました」。このような話をすることが大切です。両親ならば、洗礼のときの写真を見せながら、多くの人々から祝福され、祝ってもらったときのことを語り聞かせることができます。洗礼名の聖人について話し、ともに聖人の保護を求めることもできるでしょう。
 祈りを大切にしながら
 初聖体の準備にあたって、家庭における日々の祈りはとても大切です。祈りは親のもとで家庭から始まるものです。祈りはイエスとともに御父と話し合うことです。朝、「今日一日を御父の思いにそって生きることができるように」と祈り、夜、床に就く前に「今日一日をとおして御父からいただいた恵み」を思い起こし、「その恵みに応え、御父の思いにそって生きることができたかどうか」を省み、感謝やお詫びをしてから休みます。(教区典礼委員会)