教区報に掲載されている典礼コーナーから転載しています。
先唱者・解説者の奉仕
復活された主に出会うために、主に呼び集められた私たちは主の日に集います。今回は、神の民のミサの集いにおける祈りの雰囲気を助ける先唱者・解説者について少し考えてみたいと思います。この二つの役割を兼ねている場合が多いかもしれませんが、基本的には、先唱者は神に向い、解説者は会衆に向かうという役割の違いがあります。
神の民の務めと役割
ローマ・ミサ典礼書の総則や朗読聖書の緒言によれば、先唱者は「あわれみの賛歌」、「福音朗読前の応唱」、「共同祈願」、「感謝の賛歌」、「平和の賛歌」を先導することができますが、神に向って祈る役割ですので、祭壇に向かって祈りを唱えたり、歌ったりします。
解説者は、会衆を祭儀に導き、よりよく理解させるために、簡潔に指示や説明を与えます。その指示や説明を、正確に伝えるために、事前に書いて準備し、司式司祭の承認を得ることが望ましいでしょう。その役割を担った解説者は会衆に向かって適当な場所に立ちます。ただし、朗読台には立ちません。
解説者の役割はあくまでも、会衆の参加を助けるための奉仕です。主日のミサで、会衆が典礼の流れや動作に慣れている場合には、解説者の多くの指示は必要がありません。ミサの流れを止めてしまうこともありえるからです。動作一つで必要なことを伝達できるなら、言葉はいらないでしょうし、言葉一つで充分なら、文章はいらないでしょう。なぜならば、司式者と会衆との対話によって、静かに神に祈りを捧げるのが望ましいからです。しかし、降誕祭のミサや聖週間の典礼、また、初めて教会の祭儀に参加する人が大半の葬儀ミサや結婚式のような場合には、慣れていない人が安心して参加できるように、落ち着いて、正確に、簡潔に解説することが望ましいと言えます。
解説者はミサの流れや司式司祭の言葉、動作に注意を払うだけではなく、全体への気配りや対応にも心を配りましょう。突然のアナウンスは祈りの雰囲気をこわします。式文以外のアナウンスはミサの前に、司式司祭をはじめ他の奉仕者との間で、流れや必要な案内の確認をしておくことが望まれます。
ミサ中、司式司祭が必要な指示をする場合があり得るので、解説者はそれを見落とさないように留意してほしいものです。
解説者の心得の例
①ミサの始まる前に意向を知らせる
「今日は四旬節第○○の主日で…」
「今日のミサの間に、入門式があります。入門する兄弟姉妹のために祈りましょう」
「堅信を受ける兄弟姉妹が準備を始めます。彼らのために祈りましょう」
「○○さんが帰天されました…」
朗読をよりよく理解するために、司祭が何らかの理由によりできない場合、朗読の前に短い導入をすることが望ましい場合もあります。解説者が行う場合は、予め原稿を用意し、司祭と打ち合わせることが必要です。
②ミサの流れに自然に入っていくことができるように
「入祭唱」、「答唱詩編」の前に、「入祭の歌」とか「答唱詩編」と言わないで、すぐに歌う。
典礼の流れを守るために、「叙唱」と「感謝の賛歌」の間に言葉を入れない。必要なら、「奉納祈願」と「叙唱」の間に聖歌の番号の案内をする。
主日のミサのように、祭儀に慣れている信者が多い場合、 解説は不必要でしょうが、子どものミサの場合は教育のために必要な場合もあります。
司式者よりも、解説者の指示に頼ることが起こらないようにする。
必要な場合、聖体拝領の案内をする。
(教区典礼委員会)